石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。繊維状の為、引っ張る力に強く、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、耐腐食性、耐摩耗性など優れた性質を持っていた為、古くから保温材や石綿板等の建材、自動車の摩擦材等に使用されていました。
しかし、その繊維が極めて細い為、研磨機、切断機等の施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまう恐れがあります。以前はビル等の工事において、保温断熱の目的で石綿を吹付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。その後も、スレート材、防音材、断熱材、保温材等で使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
アスベストの繊維は極めて細い為、空気中に浮遊しやすく、また吸入されやすい特徴があるので、飛散したアスベスト繊維を大量に吸入すると繊維は肺の中に残り、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫、肺がんの原因になるおそれがあると言われています。
アスベストは、天然の鉱物繊維で6種類に分類することができ、建材に使用されているのは、主に蛇紋石系(じゃもんせきけい)のクリソタイル(白石綿)、角閃石系(かくせんせきけい)のクロシドライト(青石綿)及びアモサイト(茶石綿)の3種類です。クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)は、クリソタイル(白石綿)より有害性が強いと言われており、疫学データでもその例が発表されています。
アスベストは、戦前から船の機関室などに使用されていましたが、戦後になって使用用途が保温材、吹付け材、建材、水道管、クラッチ・ブレーキなどに広がり、それに伴い使用量が急速に増加し、1974年と1988年にピークとなり、その後、徐々に減少していき、現在は例外を除いて新たな使用はされていません。
厚生労働省によると、その例外使用も2008年までにはなくす予定とのことです。しかし、建材等に使用されてきたため、古くなった建物を解体する際には、解体従事者や周辺住民が曝露される可能性があり、健康影響が懸念されています。
アスベストは、住宅や倉庫では、外壁、屋根、軒裏等に成形板がビルや公共施設では、梁・柱の耐火被覆や、機械室等の天井や壁の吸音用等に吹付け材が使用されています。
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鉄骨の耐火被覆材、機械室等の吸音・断熱材、蒸気等を使用している箇所の結露防止材としての吹付け材。 |
(2) |
鉄骨の柱、梁等の耐火被覆成形板 |
(3) |
天井等の吸音・断熱及び煙突の断熱としての断熱相 |
(4) |
天井・壁・床の下地、化粧用内装材、天井板、外装材、屋根材等の成形板 |
に大きく分類されます。
作業環境はもちろんのこと、飛散性、非飛散性アスベストに関わらず、周辺環境に配慮し豊富な知識と経験、機械設備を用いて万全の施工をしています。施工現場の近隣住民の皆様にはアスベスト除去中であることと、安全第一で行うことを事前にご説明させていただきます。
また現場は養生シートで覆い、現場内を負圧にしアスベスト繊維の飛散をあらかじめ防止します。作業にあたる作業員は防護服でアスベストを吸い込まないようにしっかり装備をし、関係法令を遵守し作業を行い、安全に処理致します。
石綿(アスベスト)含有建材データベース (一般財団法人建材試験センター)
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